紅の華_
今藤 瞬side
「…っ」
女にビンタされるとは思わなかったな。
「アンタ……どれだけ芽依を傷つければ気が済むの?!」
その女は涙ながらに、力も弱く俺の胸を叩く。
「理緒……今は、芽依ちゃんの傍にいよう。」
「でもこいつは芽依を!!」
ヒステリックに叫ぶ女は、男に連れられて救急車へと乗り込んで行った。
その姿を座り込んだまま見続けている神崎 藍。
偶然に、いや、必然的にそうされた俺たちは一言も言葉を発さない。