紅の華_


不幸中の幸いかサツも来てない今なら。




「憎いんだろ、俺の事。…撃てよ」


こいつが俺に何をしようとも“正当防衛”だ。

俺のしてきた悪事は全てこの部屋の奥を調べれば出てくる。



逆に俺を殺せば感謝すらされるかもしれない。




「だから早く、それ拾って殺せ。」


蹴り飛ばした拳銃は神崎 藍の手に当たった。

でも神崎 藍はそれを一向に掴もうとしない。




……愛する女を撃たれて、実の兄を殺されたのに。









「…ックソ…」




“もう、復讐の連鎖を、繰り返さないで…”


脳裏をよぎるのはさっきの女の言葉。







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