紅の華_
「…2人とも、本当にバカで笑えるくらいお人好しだな。」
首元で光るネックレスを強く握りしめ、神崎 藍は笑った。
“ビビりはお前だよ、今藤 瞬”
やはりこの兄弟は、俺の全てを知っているかのようにものを喋る。
「そうだよ、俺が1番ビビりだ。」
怖かった。
神崎 蓮のあの真っ直ぐな目が、死んだ妹に似ていて。
だからあいつの口から出る、俺を責める言葉の一つ一つが妹からの言葉のように思えて。
「…バカだよな」
妹は死んだ。
…正しくは“殺された”。