紅の華_
俺はその犯人を見つけるべく裏の世界へと入った。
奴を見つける為だけに、復讐をする為だけに生きた。
“お兄ちゃん、犯人を恨んだりしないで…?”
…妹の最期の言葉なんか忘れて。
「…いい。謝罪は求めてない。」
「でも俺は…っ」
今更、としか言いようがない。
俺は神崎 藍とあの嬢ちゃんの大事なもんを奪った。
「紗奈を殺した犯人と、同じ事をしたんだ…っ」
今も目に焼き付いている“紅”。
一面に広がる炎を俺はただ見ていることしか出来なかった。