紅の華_


「相変わらずアネモネの花は好き?」


「うん、好きだよ。」


足をプラプラさせているのも懐かしい。

いつも私がお花の水を変えたり手を合わせたりしている時は、このベンチに座って足をプラプラさせていたっけ。



「…藍は元気?」


即答出来なかった。

最後に見えた藍は、泣いていたから。




「あー…そっか。大好きな芽依が怪我したんじゃ元気もないよね。」


そう言って困ったように笑った蓮は、ベンチから立ち上がった。






「おいで」




両手を広げそう言う蓮の胸に飛び込む。






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