紅の華_


「だって……私は蓮のこと、」


“好きだから”
そう言おうとした途中、チラついたのはやっぱり藍の顔で。




「芽依、もういいんだよ。」


その顔は、今まで見てきた中で1番優しい笑顔だった。






「もう後悔なんかしなくていい。…前に進んで、いいんだよ。」




───蓮を置いていくのが怖かった。



「俺は空から2人のこと見守ってる。…まぁ置いていくって言われても着いてくし。」



私が1歩進むことで、蓮を置いて行ってしまいそうで。






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