紅の華_


「…んで本題に入ると七瀬さん、手術は成功したんであと検査をぱぱっとやって異常なければ退院でオッケーだよ〜。じゃ、僕は往診しなきゃだからまたね!」



嵐のような人だった。夏都のお父さん。



「ごめん、適当な人で。」

代わりに謝る夏都になんと返したらいいかわからず苦笑いをしていると、ベッドが軋む音がした。




「芽依〜っ!!」


思いっきり抱きしめられるのかと思って力を込めると、怪我を配慮してか片手で軽く抱きしめてきた理緒。



…いや、配慮したんじゃなくて後ろにいる手を大きく広げた逞を止めるために片手か。





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