紅の華_


「ううん。なんでもないよ。」


どちらかと言えば蓮の方が泣き虫っぽいのに、実は藍の方がそうだったり。

見ていて飽きない兄弟だなぁと思いながらいつも2人を見てきた。




「嘘。…芽依、嘘つく時左見るし」


私が2人を見てきたように、2人も私を見ていたってことか。




「…ごめんごめん、つい、可愛くて。」

「可愛い?」

「藍が。」


そう言うと藍は眉を寄せた。

理解できない、そんな表情で。




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