紅の華_
「蓮の身代わりだとか、重ねてるとかじゃなくて。…私は神崎 藍っていう男の人が好きなの。」
そう言って初めて藍の表情が晴れた。
きっと「似ている」と言われる度に色々と考えていたのかもしれない。
「……ずっと、身代わりでもいいと思ってた。」
俯いてた顔が上を向き、そしてその目で私を捉える。
その顔はやっぱり似てて、でも違って。
「今では欲張って、俺を見てほしいなんて思ってる。」
軽く抱きしめられる。
でもしっかりと藍を感じる。