紅の華_
「もう暗くなってきたし、芽依、送ってくよ?」
時計の針はもう20時を指していた。
ただでさえ暗くなるのが早い季節なのに、この時間になると外は真っ暗。
「1人で帰れるよ。」
理緒はまだ帰らなさそうな雰囲気だし、わざわざ送らせるのは申し訳ないし。
「でも芽依……この辺街頭ないから、真っ暗なのよ…?」
その言葉を聞いた私が速攻呟いた言葉は「お願いします」だった。
さすが親友、私の嫌いなもの“暗闇”を熟知しての脅し文句だった。