紅の華_
Episode◇2
◆まさかのヒーロー
───紅華の皆と出会って1週間が経った頃。
「あんた最近放課後いないけど、どこに逃げてるわけ?」
相変わらずのカースト上位の女子生徒軍団に囲まれてしまった私、やっと危機感に襲われる。
「何携帯触って…っ」
伸びてくる手を避ける。
これは大事なメールだから。
私にとっても、この人たちにとっても。
「理緒が来るの都合悪いでしょ?」
そう言うと眉を寄せ、この中でも権力のある渡辺さんが近くにあったバケツを蹴った。
悔しいけど図星なんだろうな、きっと。