紅の華_



「綺麗な色…」


寝返りを打った藍の首元に光るネックレス。

細い十字架の真ん中に埋め込められたエメラルド。


それがやけに、目を引いた。





「…っごめん、起こしちゃった…?」


それに触れかけた時、藍が目を覚ました。



「…大丈夫。」

ネックレスを握って起きたばかりで立ち上がり、藍はツカツカと歩いていく。

言葉には出さないけど、まるで「触るな」と言われているようにも感じた。



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