紅の華_



───その日、夢を見た。



顔が見えないけれど知っている“誰か”。


その“誰か”に近づこうと歩み寄ろうとする私を引き止める、2人目の“誰か”。





「 貴方は誰? 」


そう聞いても、首を振るだけで何も言わない私を引き止めるだけの“誰か”は、



















「 守れなくて ごめん 」


















どこか懐かしい声でそう言った───。










< 44 / 225 >

この作品をシェア

pagetop