紅の華_
「芽依、危ない。」
さり気なく車道側を歩いてくれる藍。
重い荷物も全部持ってくれているし、なんだか申し訳ないな。
「あ、この道こっちから行くと近道だよ」
少し賑やかな街を通り抜けていくから、藍は人混みが苦手だし嫌がりそうだけど。
夏都から聞いた、毎年恒例の紅華のクリスマスパーティーに遅れるわけにはいかないし、きっと断られないはず……
「そっちダメ。」
……断られた。
やっぱり人混みが嫌だったのかな。