紅の華_


それに毎年の赤いアネモネは、お父さんがお母さんにプロポーズする時贈った花だと聞いてたから。


毎年その花を天国の両親へと贈る。
それが一人娘である私の役目でもあり、今の生き甲斐でもある。





でも……そんな両親の想い出の花を、私はあまり好きではなかった。


今でもこのアネモネの花に触れる時、手が震える。





小さい頃の好奇心と、あの時の光景がフラッシュバックしてしまうから。







___だから私はこの華を愛せない。









< 84 / 225 >

この作品をシェア

pagetop