紅の華_
それに毎年の赤いアネモネは、お父さんがお母さんにプロポーズする時贈った花だと聞いてたから。
毎年その花を天国の両親へと贈る。
それが一人娘である私の役目でもあり、今の生き甲斐でもある。
でも……そんな両親の想い出の花を、私はあまり好きではなかった。
今でもこのアネモネの花に触れる時、手が震える。
小さい頃の好奇心と、あの時の光景がフラッシュバックしてしまうから。
___だから私はこの華を愛せない。