紅の華_
「色々事情あって、追われる身でね。どこにいても周りの人達に迷惑かけるんだよね」
その横顔は、夕日のせいもあってかやけに悲しげに見える。
「…だから、お墓なら亡くなった人しかいないし、誰にも迷惑かけないだろうって思って。」
…だからこの人お墓にいたんだ。
お花も持たず、明らかにお墓参りではない感じで。
「でも…キミが居た。」
あまりに自嘲したその笑みが、何故か私の胸まで痛くする。
やめてと言いたいけれど、言えない。