紅の華_
小さい頃は、普通の人より痛みに弱くて泣いてしまった。
「…これで一応、応急処置は出来ました。」
アネモネの花の茎を折る時に出た汁が毒とは知らず、触っておきた皮膚炎で。
「ありがとう。…でも少し大袈裟じゃ………ごめん。」
「少し大袈裟」なんて言うから、眉を寄せて男の人を見ると咄嗟に謝ってきた。
花に泣かされた。
幼いながらに、ちょっと悔しくもあった。
それから、どうしてもアネモネの花というのが好きになれなかった。