紅の華_
「今夜、一緒にご飯食べようだってっ!」
キラキラ眩しいくらいの笑顔。
蓮のこんな顔、初めて見た。
改めて思う、弟さんパワーのすごさ。
「よかったね。」
つられて笑顔になる私と、それに頷く蓮はまるで子供みたい。
「じゃあ今日はもう帰るね。またね、芽依」
「うん。またね」
私たちは決して「ばいばい」と言わない。
絶対「またね」でサヨナラする。
いつしかそれは暗黙の了解になっていて、それを私も蓮も受け入れていた。
───それはきっと、私たち2人が別れを嫌うから。