紅の華_


「今夜、一緒にご飯食べようだってっ!」



キラキラ眩しいくらいの笑顔。
蓮のこんな顔、初めて見た。

改めて思う、弟さんパワーのすごさ。



「よかったね。」


つられて笑顔になる私と、それに頷く蓮はまるで子供みたい。






「じゃあ今日はもう帰るね。またね、芽依」

「うん。またね」






私たちは決して「ばいばい」と言わない。


絶対「またね」でサヨナラする。








いつしかそれは暗黙の了解になっていて、それを私も蓮も受け入れていた。








───それはきっと、私たち2人が別れを嫌うから。









< 98 / 225 >

この作品をシェア

pagetop