紅の華_
「ただいま。」
おかえりは返ってこないこの家で1人きり。
寂しいという気持ちは、5年間のあの日で全て味わった。
今は同居は拒否するものの一応親権のあるお母さんの姉、つまり伯母から毎月使い切れない程の仕送りをされて生活してる。
伯母には感謝はしているけれど、はっきり言って嫌い。
お母さんが生きていた頃は、仲睦まじい私の両親を見て嫌味しか言わない人だったから。
「ただいま。お父さん、お母さん。」
お線香をたき、部屋に充満する香りに癒される。