前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 瞬間、手のひらの溶けた雪が重くなった気がした。

「ん…?」

 手のひらの上には、氷の花。

「あ…これって」

 もしやと思い、レオンの方を見る。

 すると、向こうもこちらを見ていたらしく、目が合った。

 小さく手を振る。

 向こうは授業中のため手は振れないが、笑っている気がした。

 次の生徒が雪雲を晴らせたようで、氷の花にキラキラと太陽が光を落としていた。
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