夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
だけどそれも一瞬のこと。


すぐに瑠璃さんの言葉がわたしの気持ちを暗くさせる。


──譲る気ないから。


「びっくりしたよー。瑠璃がいると思ってここに来たら織原さんがいるんだもん。あ、瑠璃ってのは俺の幼なじみで」


「え? あ、そうだよね。ごめんね……」


水城くんと話している時はいつも幸せでしかないのに、今はどうしても会話が上の空になってしまう。


「さっきまで瑠璃ってここにいたよね?」


「あ、うん。なんか帰っちゃった」


水城くんが瑠璃さんの話をしていることにすら嫉妬してしまっているわたしがいる。


こんな私、水城くんに知られたくない。


こんなドロドロな気持ち。


何もなかったように必死で取り繕っているけど、やっぱり水城くんには分かってしまうのかな。
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