夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
まずい、水城くんだ。


久しぶりに岩の上にいたら、目の前に急に現れたのだ。


ここ最近ずっと話していなかったから、目を合わせるのもぎこちないや。


関わったらまた瑠璃さんに何か言われるかもしれない。


そう思ったわたしは岩から飛び降りて、水城くんの横を無言で通り過ぎようとした。


その時。


水城くんはわたしの左手首をぐっと掴んだ。


「……っ」


「織原さん、なんで最近俺のこと避けてんの?」


水城くんは掴んだ私の手首を引っ張って、わたしを水城くんに向き合わせた。
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