夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「わたしが今まで水城くんに話しかけてたの、迷惑だったんでしょ!」


こんなことを言うのも辛くて、早く水城くんから離れたかったわたしはつい声を張り上げてしまった。


自分で言ったくせに、視界が滲んでくるなんて情けない。


水城くんの顔も見ないまま踵を返して逃げようとするけど、その瞬間にわたしの手首を掴む水城くんの手に力が加わった。


「何だよそれ。いつ俺がそんなこと言ったんだよ」


水城くんの声に、初めて苛立ちが含まれたのがわかった。


それに比例するように腕を掴む力が強くなって、痛くなってきた。


「瑠璃さんから聞いたの。わたしに優しくしてくれたのは、わたしがずっと1人でいて可哀想だったから……なんでしょ?」


きっと目は真っ赤。


景色が滲んで水城くんなの顔もよく見えない。


語尾は震えているし、きっとすごく不格好だ。
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