夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
それでも、彼の綺麗な目がわたしを見つめていたことはわかった。


なんでそんな目で私を見れるの?


迷惑かけてごめんね。もう話しかけないから。


そう言おうとした時。


「違う」


怒りとは違う、必死に何かを伝えようとするような声だった。


「……え?」


「俺が織原さんと仲良くなりたかったから話しかけたんだ。可哀想だなんて思ってないよ」


まっすぐにわたしを見つめて言ったのは、わたしの想像もしなかった言葉だった。


「う、そ……」


「本当だよ。織原さんと話したかったんだ」


いつの間にか俯いていた顔を上げて水城くんを見ると、眉毛をハの字にして笑う水城くんがいた。


目が合った瞬間、いつの間にか張り詰めていた緊張の糸がプツンと切れて水城くんの笑顔がだんだん滲んでいく。
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