夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
顔が赤かったらどうしようと思っていると、水城くんが口を開いた。


「ねえ、花凪は俺のこと、名前で呼んでくれないの?」

「……っ」

「呼んでよ」


いたずらっぽく笑ったわたしの心をこれでもかってほど締め上げられて、きっと今のわたしは耳まで赤いと思う。


「……やっ、あの……恥ずかしい、です」


思わず下を向きながら、自分の顔を隠した。


水城くんを名前呼びするなんて、ドキドキしすぎて心臓がおかしくなっちゃう。


「ははっ、花凪らしいや。じゃあ好きな時でいいから、いつか呼んでね」

「……うん」


そんな水城くんらしい言葉にわたしはまた水城くんが好きになった。
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