夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「どうしよう……」


わたしは今、人生最大の苦悩に直面している。


4人でショッピングモールに行った次の日、水城くんにもらったミサンガをなくしてしまったのだ。


きっと、浅野さんに会ったあの日だ。


あの日、浅野さんに気を取られすぎて知らないうちにミサンガを落としてしまったらしい。


気づいたのはあの後家に帰ってからで、すぐに探しに行ったけどもうすでに波に流されてしまったのか見つけることはできなかった。


水城くんに言ったら怒るかな……。


でも言わないとずっと罪悪感がある。


だけど好きな人にせっかくもらったも物をなくしただなんてとても言えない。


わたしは水城くんに怒られることが怖くて、結局それを隠しておくことにした。


「ごめんね……水城くん」
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