夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
水城くんに隠し事をするようになってから毎日つけていたミサンガはつけていないし、わたしの態度もたぶんおかしかったと思う。


それでも、水城くんはそれに気づいていないようだったのでそれに甘えてわたしは何もなかったように振舞っていた。


「これ、瑠璃から」


水城くんからそう言ってふたつ折りにされた手紙をもらった時、わたしはその名前にドキンとした。


瑠璃さん、まだ何かあるのだろうか。


瑠璃さんの言った通り、彼女は夏休みが明けてから同じクラスに転校してきた。


教室で瑠璃さんと話したことは一度もないし、目が合ってもスッとそらされてしまっていた。


瑠璃さんの前で水城くんと話すのはなんだか怖くて、水城くんと話す時はいつも瑠璃さんの視線を気にしていた。


水城くんが瑠璃さんに言っておくと言っていたとはいえ、瑠璃さんにもう水城くんと話すなと言われたのに話すどころか水城くんに頭を撫でられて泣いてしまったり、キスまでしてしまったりしたのだ。


瑠璃さんが何か言わないはずがない。
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