夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
次の日。


わたしは指定された岩の上で1人座っていた。


これから瑠璃さんが何を言うのかと思うととても怖かった。


ふう、と息を吐いた時。


「花凪ちゃん」


後ろから瑠璃さんの声がした。


瑠璃さんの声には、以前ここで話した時のような鋭さはない。


振り返ると、昨日の水城くんのように少し困ったような笑顔でわたしを岩の下から見上げる瑠璃さんがいた。


その声と表情で、わたしは瑠璃さんはわたしを責める気でいるわけではないことに気づいて少しほっとした。


そしてわたしは岩から降りて、瑠璃さんの正面に立った。
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