夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
へへっと笑う瑠璃さんだけど、長年の恋が実らなかったその目はとても悲しそうだった。


「本当にごめんね。こっちに戻ってきてから千尋がずっと花凪ちゃんの話ばっかりするから、花凪ちゃんに嫉妬してたの。あんなことしておいてすごく勝手だと思うけど、わたしの友達になってもらえないかな」


この子はきっと、嘘がつけない子だ。


本音のまま、正直に生きてきた子だ。


わたしは、差し出された瑠璃さんの手を迷わず取った。


「よろしく、瑠璃さん」


「瑠璃でいいよー。わたしも花凪って呼ぶから」


「わかった。じゃあ、瑠璃」


「ふふっ。よろしく、花凪」


その日、わたしは青い貝がらを見つけた。


その貝がらは、瑠璃みたいに純粋な青だった。
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