夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
小さな声で瑠璃がそう言ったような気がしたけど、聞き返すと何も言っていないと言われてしまった。


その後わたしたちはいろんなお店を回って、暗くなる頃に家に帰った。


瑠璃のあの言葉が少しひっかかっていたけど、タイミングがなくて結局聞くことはできなかった。




駅から歩いて、それぞれの家に続く分かれ道にさしかかった時だった。


「最近、ずっとつけてたミサンガつけてないんだね」


ぎくり。


わたしは突然の瑠璃の発言にそんな効果音がつきそうな動きをして固まった。


瑠璃に隠し事はできないような気がして、わたしはミサンガのことをすべて瑠璃に話した。


そして話を聞き終わった瑠璃は、


「それ、千尋に言った方がいいよ」


と、真面目な顔つきで言った。
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