夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「水城くん。いよいよ明日、大会だね」

「……うん」


大会の前日。


最後の練習を終えた水城くんはなんだか浮かない顔だった。


というか、今日は朝からずっとだ。


明日の大会……相当緊張するんだな。


そうとしか考えなかったわたしの頭はなんとも単純で、水城くんの思っていることは何も分かっていなかった。


「花凪さあ、いつまで俺に隠し事してんの?」


眉根を寄せて少し苛立った口調でいきなりそう言った水城くん。


わたしとうとうバレてしまったと、わたしはその時やっと気づいた。


「ミサンガ急につけなくなったの、俺が気づいてないとでも思った?」


「……っ!」
< 172 / 188 >

この作品をシェア

pagetop