夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
地面が柔らかかったので怪我はなかったけど、制服やローファーが砂で汚れてしまった。


あーあ、やっちゃった。


そう思った時。


「ぷっ」


誰かに笑われた気がした。


「だっ……誰?」


転んだところを誰かに見られたのが恥ずかしくて、少し赤くなった顔で笑った犯人のいそうな方を向くと、そこにいたのはあの隣の席の水城くんだった。


「水城くん……」


水城くんはわたしと同じ制服──ではなく、なぜかウェットスーツを着ている。
< 18 / 188 >

この作品をシェア

pagetop