夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「正解。知ってたんだ、俺の名前」


「それぐらい……すぐ覚えた」


水城くんは小さく笑ってから、小脇に抱えていたサーフボードの持ち方を変えてわたしに手を差し出した。


「…………」


これは、手を掴めってことだよね……。


今初めて話したのにいいのかな。


甘えていいのか分からずに少し迷ったけど、わたしはその手を取って立ち上がった。


スカートに付いた砂を手で払っているわたしを見て、水城くんはスクリと笑った。
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