夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
ぺたぺたとビーチサンダルを鳴らしながら海へ行くと、ちょうど今から海へ行くところらしいウェットスーツを着た水城くんに会った。


「あれ、織原さん」


「水城くん」


「珍しいね、海に来るなんて。どうしたの?」


まさか水城くんがいるかと思って来ただなんて口が裂けても言えない……。


「た、たまには来てみようかなと思って……」


「そっかー」


動揺が見え見えの上ずった声だったけど、水城くんはとくに気にせずにそう言ってくれたので助かった。
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