夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
え、どうしたの?


「ハァ、ハァ、水城く……」


「はい」


声をかけようとすると、水城くんはすぐに立ち上がってわたしに何かを渡した。


「え?」


わたしの手に乗ったのは、小さくて真っ白な貝がらだった。


「綺麗……」


どこも欠けていなくて、海水で濡れた貝がらは太陽の光を反射して光っている。


「だろ? プレゼント」


「あ、ありがとう」


わたしがそう言うと、水城くんはニコッと笑った。
< 28 / 188 >

この作品をシェア

pagetop