夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
そして、水城くんがやっと立ち止まったのはほぼ端っこの小さめの岩がある場所。


岩の前には木が何本か立っている。


ここがどうしたんだろう。


ぽかんとしていたら、水城くんは軽々とその岩の上に登って腰を下ろした。


どうしたらいいのか分からずに棒立ちになっていると、水城くんがわたしの方を見て「ここに座って」と言うように隣をポンポンと叩いていたので水城くんの隣に座ろうと岩に手をかけた。


かけた手に体重を乗せてジャンプしてみる──けど、なかなか登れない。


水城くんはあんなに簡単に登ってたのに。


なんで水城くんはそんなに軽々と登れるの?
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