夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「千尋ぉっ!」


突然、どこからか野太い声が聞こえてきた。


目を開けると、数メートル先に知らない男の人が立っていた。


だ、誰……!?


「げ、父さんだ。ごめん、行かないと。またね」


少し身構えてしまった時、隣から水城くんのめんどくさそうな声が聞こえた。


水城くんの、お父さん?


水城くんと似て少し色黒の水城くんのお父さんだというその人は、なんだか結構スパルタそうだ。


水城くんは軽々と岩から飛び降りると、お父さんのところへと走っていってしまった。
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