夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
そう思ったけど、笠岡さんは私の髪を触って綺麗な色と言ってくれた。


嬉しいはずなのに、思い出すのはあの頃の記憶。


『なんで1人だけ髪が茶色いの?』

『髪の毛染めちゃいけないのになんで染めてるの』


髪を引っ張られて痛い思いをした記憶が蘇ってきて、笠岡さんの手を払ってしまった。


──パンッ!


「……っ」

「あ……、ごめん。いきなり触っちゃいけなかったよね」


あっ……。


違う。違うよ。
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