夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「それじゃ、約束ね」


放課後、教室を出ようとしたわたしに水城くんが声をかけてきた。


「うん」


水城くんみたいに穏やかに笑ってそう返したつもりだけど、彼の笑顔に比べたらやっぱりちゃんと笑えてないと思う。


それでもなんとか精一杯の笑顔でまたね、と言って教室を出た。


遊ぶ約束をするなんてほとんど初めてで、ワクワクとドキドキで胸をいっぱいにしながら家への道を歩いた。


笠岡さんも櫛宮くんも声をかけてくれて、水城くんだけでなく2人も優しい人なんだと分かった。


あの2人とは今日初めて話したのにすごく優しくしてくれて、居心地がよかったな。
< 55 / 188 >

この作品をシェア

pagetop