夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
髪型も少しでもいつもより綺麗にしたくて、いつもは何もせずに下ろしているだけの髪を編み込みにしてみた。


思ったより時間がかかったのか、慣れないヘアアレンジが終わると家を出るにはちょうどいい時間になったので小さな黒いショルダーバッグを持って家を出た。


「お母さん、行ってきます」


待ち合わせは家から少し歩いたところにある最寄り駅。


──ミーンミーンミーン……。


そこまで歩く間、わたしは蝉の声を聞きながらさっきのお母さんの顔を思い出していた。


「行ってらっしゃい」と言ってくれたお母さんは、わたしに友達が出来たことをすごく喜んでくれているように笑っていた。
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