夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「転校生を紹介します」


わたしは季節外れの転校生。


もうすぐ憂鬱だった時がやってくる。


どんな目で見られるかな。


変な目で見られたらどうしよう。


もし、前の学校みたいな子ばかりだったら──……。


何度も見た嘲け笑いを思い出して、汗で濡れた手が震えてくる。


わたしはそんな記憶を振り払うように両手を握りしめ、室名札を見上げて深呼吸をした。
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