夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
2人の歩く距離はとても近いし、すごく楽しそうに話しているのが遠くからでも分かる。


心の中で、小さな黒いもやが生まれた。


笑い合っている姿を見ていると、どんどんそのもやが大きくなってくる。


あの2人を見ていたくない。


何なの、この気持ち。


……って、そんなことよりこのままじゃ見つかる!


逃げよう。


わたしはすぐに岩から飛び降りて、2人には見つからないように少し遠回りをして、そのまま家に帰ってきてしまった。


家に着くまでの間、頭の中はさっきの女の子のことでいっぱいだった。


部屋に戻ってベッドにダイブして、窓からの景色を眺める。
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