血に濡れた上履き
あれ以降の記憶はあやふやだ。

3日後、学校が再開した。

担任はクレームの対応に追われていたのか、頬がげっそり痩せ、くまが濃くなっていた。

「今日は、転校生を紹介します」

ニッコリと担任が微笑む。

転校生か。

独りぼっちの私と、独りぼっちの転校生。

仲良くなれるかもしれない。

期待に胸を弾ませていると、教室のドアがガラリと開かれた。

開いたその手は指が長く、とても白かった。爪の色がとても良い。
< 3 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop