血に濡れた上履き
転校生が教室に1歩踏み入れる。

思わず息を飲んだ。

緩く巻いた薄い茶色の髪。二重の目は大きくぱっちりしていて、瞳は青色だった。ピンク色のぷるぷるとした唇。薄めのメイクがとても感じが良い。

「はじめまして!箱崎マリアといいます!よろしくお願いしまーす!」

明るい声が教室に響く。

「箱崎さんに質問がある人いますか?」

担任が呼びかける。

1人の男子が手を挙げた。

「外国系の親戚がいますか?」

これは私も気になっていた。

名前も「マリア」だし、見た目が外国人ぽい。

「はい!パパがスペイン人で、ひいおばあちゃんがアメリカ人ですよ!」

箱崎マリアは、ニコリとその男子に微笑み、そう言った。

なるほど。それならこの見た目も納得だ。
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