友達じゃないよっ!
友達じゃないよっ!

ぽたっ。


今日も落ちてきた。


どういうわけか、わたしの髪には最近1日1滴ずつ、血が落ちてくる。


他の人を見てみたけれど、やっぱり誰の髪にも落ちていない。
毎日、わたしの髪だけに落ちてくる血。


まるで、誰かがわたしを狙っているようなのだ。



「おっはよー、千草(ちくさ)。どうしたの?」



髪に落ちてきた血を指につけて見つめていると、親友の紬(つむぎ)が聞いてきた。



「紬……」



「え? 何それ、怪我したの!?」



わたしの指にある血を見て、紬はぎょっとした。



「上から血が落ちてきた……」



「上? 何もいないけど……」



紬は空を見上げながら、首を傾げた。


「でも落ちてきたの」



「知らない間に、どっか怪我したとか?」



可能性はゼロとは言わないと思うけど、血が出るくらい怪我したのであれば痛みを感じていたはずだ。


けれど今日わたしは、血が出るくらいの痛みを感じたことがない。




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