友達じゃないよっ!
そこには、
『織江ちゃん、今までありがとう。けれど、もう耐えられない。織江ちゃんは、あたしが逝っても生きて幸せになってね。良美』
と書かれてある。
良美……ということはまさか……。
「蒔田 良美さんと仲が良かったの?」
わたしの口から、すらすらと良美さんの名前が出てきた。
「ええ、そうよ。よく知ってるわね」
お母さんはまだ悲しんでいるのと、びっくりしているのが混ざった顔になった。
「聞いたことがあったの。調べたりしたらその人の名前とか顔写真とか出たから……」
わたしがそう言うと、お母さんは納得したように頷く。
「お母さんの1番の友達だったの。そして……良美ちゃんのお母さんは、私に『良美はあなたに、直接お礼を言いたかったかもしれないわ』ってお葬式で言ったの」
「え? じゃあ、わたし……」
良美さんとは、思っていたよりも関係があるということだったの……?
わたし、
お母さんが良美さんを裏切ったような感じにしてしまった。
だから、幽霊になってお母さんにそっくりだったわたしに、間違えてお礼を言った、ということ……?
やっぱり、わたしが幽霊を見たのは夢じゃなかった。
わたしは、そのことを改めて実感した。