偽りのラブレター
いっちーとは、私たちのクラスの担任。
名字が市原だから、みんなからいっちーって呼ばれてる。
確かにいっちーがそういうのなら本当なのだろうか。
え...何これ。すごい。
「菜那、何ニヤニヤしてんの?」
若干引き気味の有紗なんてみる余裕もなかった。
ちょっと怖いというのもあったけど、好奇心のほうが強かった。
「ね?すごいでしょ」
後ろから声がして、私は飛び上がった。
「だ、誰、ですか...?」
私は恐る恐る後ろを振り向く。
そこには、女の人が立っていた。