偽りのラブレター
「そう。私は人間の心の中ならすぐに覗けちゃうの。何を考えているのかくらいはわかるわ」




やばい、この人。おかしい。





「なんでそんなじろじろみてるの?なんかあるの?」




有紗が不思議そうに小首を傾げている。




言いたいけど言えない。それがもどかしい。



「やっば、ごめん!ちょっと先帰ってて!用事思い出したわ」




私は慌てて言った。



「...?うん、分かった」




有紗はよくわからないといった表情でその場を離れていった。




「...で、あなたは誰なの」




私はその人に尋ねた。




「あなたを放課後、屋上に呼んだ人よ」




「何をしたかったの」




全く意味不だ。




あれを置いたのが彼女だっていうのなら、きっと私にこの“能力”とやらを与えたのも彼女だろう。




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