センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

2月になって カンナの大学が決まって。

高校は 自由登校になっていたから

俺とカンナは 毎日 一緒にいた。


「奏斗と 違う学校に行くの 嫌だなぁ。」

「うん…でも 休みの日は 会えるし。」

「休みの日だけ?」

「行ってみないと わからないけどね。」

「大学の帰りに 待ち合わせしようよ。」

「時間が合えばね。」


抱き合うことが 俺を 繋ぐ手段だと思ったのか

カンナは 会えば 俺に 抱かれたがった。


若い欲望は そんなカンナを 拒むこともできずに。

ただ 身体を重ねる付き合いに ウンザリしながらも

俺は カンナと 別れることは 考えていなかった。


もう その頃には カンナを 好きじゃなかったのに…


カンナは 感情の起伏が 激しくて。

今 ご機嫌に 笑っていたのに

何か 気に障ると 急に 怒りだす。


泣いたり 怒鳴ったりするカンナに

俺は もう うんざりしていたから…


カンナは 激しく 泣き喚いた後で

必ず 俺の身体を 求める。

抱かれるうちは 大丈夫と 思っていたのか…


俺が カンナを抱いた後で 

虚しくなっていることに 気付かずに。





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