センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人
受け取った 機内食を開いて。
卵料理とサラダの 朝食メニューに
俺は 空腹を覚えて 苦笑する。
昨夜は 搭乗後配られた サンドウィッチを
食べた だけだったことを 思い出す。
こんな時でも 俺は 食欲があるのか…
衝動的に 飛行機に 乗ってしまったけど。
本当に 俺は 葉月を見つけることが できるのか。
所長から マレーシアって聞いた時
俺は 葉月が リッツカールトンに泊まっていると 確信したけど。
それは 俺の ただの願望で。
葉月は 全く違うホテルに 泊まっているかもしれない。
そもそも クアラルンプールにいることだって
俺の 願望でしかないのに…
こんな状況でも 俺は メシが食えるのか。
だから 葉月を 苦しめていたことに 気付かないんだ。
でも 俺は 絶対に 葉月を見つける。
クアラルンプール中の ホテルを 回ってでも。
見つけて 謝らなければいけない…
たとえ 葉月が 許してくれなくても。
一目でも 元気な葉月を 見ることができればいい。
到着時間が 近付くにつれて
俺の心は 不安に包まれて。
ただ 葉月に会いたい思いだけで
俺の胸は 押し潰されそうだった。